令和5年度技術発表会が10月17日午後1時から、大宮ソニックシティで開催され、土木工事7事例、建築工事5事例、特別参加1事例(埼玉県県土整備部)合わせて13事例が紹介された。国土交通省関東地方整備局と埼玉県が後援。埼玉県市長会と埼玉県町村会が協賛した。
今年で25回目を迎えた発表会に約500名が参加した。国、県、市町村など公共工事発注機関の関係者をはじめ、各会員企業を前に、これまで培ってきた高度な技術力、施工力、働き方改革への取組などが披露された。また、ロビーのモニターで発表事例を映写し、技術力を示した。
挨拶する小川会長 |
主催者の小川会長は、「当協会では、地域建設業の課題に対処するため各種事業を鋭意展開しており、本日の技術発表会は、重点目標の一つである『生産性及び技術力の向上』のため、技術委員会のプロジェクトチームが企画運営を担当するものだ。協会会員一同さらなる技術の向上に努め、地域社会の役に立てるよう邁進するので、地元建設企業になお一層のご理解とご支援をお願いしたい」とあいさつした。また、後援者の関東地方整備局の中洲啓太大宮国道事務所長と埼玉県県土整備部の吉澤隆副部長がそれぞれあいさつし、技術力の向上と後進の育成に期待を寄せた。
技術委員会の古郡委員長の挨拶で閉会。発表会終了後は、小川会長から発表会員企業12社に対して表彰状と記念品が贈呈された。
全体写真 |
発表事例を映写 | 発表者を表彰 |
令和5年度優良従業員表彰式が10月31日午後3時から建産連研修センター大ホールで開かれ、30年以上勤続者と10年以上勤続者を合わせた延べ76社・165名に対し表彰状と記念品が贈られた。
本年度は、30年以上表彰者39社・84名、10年以上表彰者37社81名を表彰。受賞者を代表して元建設の伊藤誠氏(30年以上)と、松永建設の村上陽子さん(10年以上)に小川会長から表彰状が手渡された。
式辞としてあいさつに立った小川会長は、「皆様は、長年にわたり経営力、技術力の向上に努めるなど、職務に真摯に取り組み、社業並びに建設業界の発展に大きく貢献された。本日の輝かしい栄誉は、こうしたご努力の賜物と、協会を代表して、心からお慶び申し上げる」と敬意を表す一方、「建設業界を取り巻く経営環境は、長く続いた低迷期を抜けて少しずつ改善を進めているが、ロシア・ウクライナ危機や為替の円安傾向などの様々な世界情勢を背景として、資材の高騰や品薄などの影響が生じている。また、厳しい雇用・労働条件から、若者の確保が困難な状況にあり、近い将来、深刻な担い手不足になることが懸念される」と、現状に危機感を示した。「こうした状況において、現在、国を挙げて建設業を新3Kの魅力的な産業とするために取り組んでいる。ダンピング防止対策や公共工事設計労務単価の引き上げなどにより、賃金水準は上昇してきている。また、いわゆる新担い手3法において、働き方改革の推進、生産性向上の取組、災害時の緊急対応の強化を柱とする制度改正がなされ、具体的な取組がなされている。当協会でも、委員会を中心として建設業の課題解消に取り組んでいる」として前向きな姿勢を示すとともに、発注者側の協力も求めた。その上で、「本日受賞される皆さんは培った知識と経験を生かし、今後とも社業の発展に尽力されるとともに、将来にわたって建設業界の発展に貢献されるよう期待する」と述べた。
表彰状授与後には、来賓として出席した埼玉県県土整備部の武澤副部長が、「地域建設業は、社会基盤の整備と地域の守り手として重要な役割を担っている。培った経験と技能を、これからの建設業を担う方々に伝承し、魅力ある職場づくりと担い手の確保につなげてほしい」と祝辞(金子部長代読)を述べた。
その後、受賞者を代表し伊藤誠氏が「本日の受賞は、諸先輩方の指導の賜物。今後も地域の守り手としての役割を果たすべく努力するので引き続きご指導・ご支援をお願いしたい」と謝辞を述べ、式を終了した。
小川会長が開会の挨拶 |
30年勤続の伊藤氏に表彰状 | 10年勤続の村上氏に表彰状 |
「埼玉県建設資材県産品フェア2023」が、埼玉県建設資材建産品フェア実行委員会と埼玉県との共催により10月11日・12日の両日、大宮ソニックシティの第1〜5展示場で開催され、51社・5団体と国交省・県の4課所が出展した。第19回の開催。オンラインでも同時開催された。
11日10時から開催された開会式では、実行委員会の星野友博委員長が「建設資材のニーズは刻々変化している。直接見て触れてもらうことで、より良く、多くの方に県産品を知ってもらう絶好の機会だ。有意義なフェアとしたい」とあいさつ。また、埼玉県を代表して県土整備部の武澤安彦副部長は、実行委員会やスタッフの労をねぎらうとともに「今回が過去最多の出展者となった。建設DXなどの取組を知ってもらうため、公共機関のブースも設けた。埼玉県の公共工事における県産の製品・技術の更なる利用促進に努める」と述べた。
来賓として出席した当協会の小川会長は、「今年は記録的な猛暑となったが、建設業は気候に左右されずに、定められた工期内に品質が確保された良好な工事を行わなければならない。さらに、2024年4月から建設業にも時間外労働の罰則付き上限規制が適用される。埼玉の建設業界が、社会資本の整備、維持管理、災害対応など社会的責務を果たしていくには、安定した経営のもと、将来にわたる担い手の確保育成はもとより、作業の省力化・効率化を進めるとともに、安全な工事環境を整備していかなければならない。フェアで出展されている製品や技術は、出展企業が様々な工夫や改良を行い、作業の効率化や安全の確保を図るものだ。発注者の多くの機関にこれを採用していただき、県内経済の活性化にもつなげてもらいたい。埼玉県建設業協会としても、県産品を使用した工事を高い品質で完成させることにより、優れた製品を生産する皆様を応援していきたい」とあいさつした。
同フェアの見学者には全国土木施工管理技士会連合会のCPDS学習プログラムが1日2ユニット付与された。
当協会員では、初雁興業が池水を抜かず浚渫を行え、排出された用土を再利用できる「生態系保全型底泥資源化システム」を出展した。
多くの人が訪れた | 挨拶する小川会長 |
埼玉県は10月12日午前10時30分から、大宮ソニックシティビル地下1階の第1展示場で「令和5年度埼玉県優秀建設工事施工者表彰式」を開催した。表彰は37回目。埼玉県建設資材県産品フェア2023と同時開催。
県は、令和4年度に完了した埼玉県が発注した工事約2400件の施工者から、優秀賞として8企業、2共同企業体、特別奨励賞10企業を選出。大野知事がそれぞれに表彰状を手渡した。なお、受賞20工事のうち、土木部門の13工事、建築部門の2工事、設備部門の3工事―合計18工事が当協会会員企業の施工によるもの。
大野知事は、「皆さんは卓越した技術力、豊富な経験を基に他の模範となる工事を実施し、完成させた。そのご努力に敬意と感謝を申し上げる。建設業界は変革の時であり、時間外労働の上限規制も迫っている。県は、地域の建設業が今後も持続的な発展を遂げることのできるよう、生産性の向上、働き方改革を支援していく。皆さんと手を携えて日本一暮らしやすい埼玉県≠フ実現を目指したい」とあいさつした。
来賓として出席した当協会の小川会長は、「受賞を機に一層、技術力の向上に努め、県内建設業の発展に貢献することを期待する。生産性の向上、働き方改革実現には安定した経営基盤を築いていくことが必要。公共工事の発注者には、公共事業予算の確保とともに、施工時期の平準化、県内企業の受注機会の更なる拡大をお願いする」、星野埼玉県建設産業団体連合会会長(当協会顧問)は、「若者が夢と誇りを持ち、魅力のある建設業となるようご尽力をお願いする」と祝辞を述べた。
受賞者を代表して、宮崎土建工業所の宮崎社長は、「一層、技術力の研鑽に努め、地域の安全安心の確保に努めたい」と謝辞を述べた。
受賞した会員企業と対象工事は次のとおり。
【優秀賞】
土木工事部門
◎横田工務店=3浦山復旧治山工事
◎金杉建設=総選除)3古第101号古利根堰耐震補強工事
◎島田建設工業=総選除)橋りょう修繕工事
◎宮崎土建工業所=不老川緊急治水対策工事
◎秩父土建=災害復旧工事(2災3号)
◎星野組=総合交付金(改築)工事
◎小川工業・ユーディケー特定建設工事共同企業体=総A除)020水整第753号行田浄水場着水井耐震化原水管布設工事
建築工事部門
◎小川工業・吉田工務店特定建設工事共同企業体=21県東部地域特別支援学校(仮称)新築工事
設備工事部門
◎丸電=総選除)21県東部地域特別支援学校(仮称)電気設備工事
◎八洲電業社=総選除)21県東部地域特別支援学校(仮称)電気設備改修工事
【特別奨励賞】
土木工事部門
◎中里組=0309橋りょう修繕工事(いろは橋P1橋脚耐震工)
◎太田組=バリアフリー安全対策工事(高萩工区)・舗装指定修繕工事(高萩工区)合併
◎柳沢リース建設=総U加)舗装指定修繕工事(善能寺工区)
◎古郡建設=河川改修工事(志戸川護岸工)785
◎草加建設=総選除)1049社資交付金(河川)工事(護岸整備工)
◎彩光建設=1089社資交付金(住宅)整備工事(道路改築工その1)
◎ユーディケー=総選除)南部流域処理場放流渠耐震化5工事
建築工事部門
◎島村工業=総A除)31県住加須北小浜団地第1工区建築その他工事
設備工事部門
◎清水アーネット=21熊谷スポーツ文化公園くまがやドーム体育館空調熱源設備工事
◎長井電機=総設加)22上里学園小規模事業新棟新築電気設備工事
受賞者と来賓などで | 宮崎社長が謝辞 |
新入社員等フォローアップ研修が10月6日に、建産連研修センター大ホールで開催され、会員企業17社から44名(うち女性7名)が参加した。
新規入職者を対象に、社会人・企業人としての資質の向上と建設産業に携わる者としての意識の高揚を図り、有為な人材の育成と定着促進を実現することを目的に開催した。
9時30分からの開講式では、当協会の磯田専務が「入社から半年が過ぎ、作業に不安を感じるとともに慣れも生じる時期だ。これまでの仕事や経験を振り返るとともに、さらに必要なスキルを学んでいただきたい。地域の守り手として不可欠な建設業が持続・発展していくため、皆さんの若い力に大いに期待している。本日の研修による気付きを大切にするとともに、仲間とともに成長していただきたい」とあいさつした。。
研修ではまず、オリエンテーションで研修心得を説明。富士教育訓練センター講師の花輪孝樹氏が務めた研修では、「人間力向上に向けて」をテーマに、午前中に「〜人生に卒業なし・企業人の行動力〜」を、午後に「人間力向上への決意」をテーマに、「〜明日からの行動計画策定〜」を実践演習し、参加者独自の手引書を作成した。。
閉講式では、当協会の北村業務部長が修了者に期待の言葉を贈った。その後、修了書を授与し、研修会を終了した。
開講式で挨拶する磯田専務 | 花輪講師が講義 |
当協会は10月2日から16日にかけて県内12市町村を回り、前払金保証制度等に係る要望を行った。磯田専務理事と各支部長事務局長などと、東日本建設業保証埼玉支店が同行し、担当者に要望書を渡した。
地域の建設業が将来にわたって社会資本の整備・維持管理や災害対応などの社会的責務を果たしていくためには、健全で持続的な経営及び若年入職者の確保・育成が不可欠であり、安定的・持続的な公共投資のもとに適正な利潤を確保し、賃金の引上げなど担い手の処遇を改善できる経営環境が必要。しかしながら、コロナ禍による供給網の混乱や急激な円安などの影響により、燃料や資機材の価格高騰や品不足が続いており、地域建設業の経営は依然として厳しい状況にあり、低廉なコストによる資金調達が可能な前金払制度の拡充が必要とし、前払金支払限度額の撤廃等を求めた。
実施日は次のとおり。
▽10月2日=久喜市▽10月3日=滑川町、ときがわ町、毛呂山町▽10月5日=行田市、幸手市▽10月10日=美里町、小鹿野町▽10月13日=ふじみ野市、富士見市▽10月16日=狭山市、入間市
行田市には小川会長も同行 |