令和4年度の若年建設従事者入職促進協議会(島村健会長)が7月6日午後3時から建産連研修センター103会議室で開催された。
当日は、埼玉労働局から森宏太郎職業紹介係長(代理出席)が、埼玉県から天野圭太建設管理課建設企画担当主幹(代理出席)、松尾賢治雇用労働課若年者支援担当主幹(代理出席)が、工業高校校長会から清水雅己会長(大宮工業高校校長)が、埼玉県電業協会から積田優会長が、また、当協会からは島村働き方改革委員会委員長(協議会会長)、関根勇治副委員長が出席。島村会長の議事進行により協議が行われた。
島村会長は会の冒頭、「建設業就業者は高齢化しており、人手不足がますます深刻化することが懸念されている。当協会としても、働き方改革、業界の魅力アップ、生産性向上のための取組を進めているが、他産業との人材獲得競争が激化しており厳しい状況が続いている。こうした状況を改善するためにはどのような取組が必要なのか、忌揮のないご意見を頂きたい」とあいさつした。
【議題】
◇令和3年度事業実施報告について
事務局が令和3年度に実施した出前講座、建設現場見学会などの入職促進事業、表彰、新入社員研修などの職場定着事業について報告した。
◇令和4年度事業計画(案)について
事務局が今年度実施予定の事業について説明。出前講座、小型車両系建設機械運転特別教育支援事業、建設現場見学会、優良従業員表彰、研修・講習会などの事業を承認した。
◇その他
埼玉労働局の森職業紹介係長が、厚生労働省の令和4年度建設人材確保・育成事業の概要を説明。助成金、マッチング支援などを活用して人材を確保し、建設労働者育成支援事業、職業訓練、資格等取得支援事業などを利用し育成してほしいと呼び掛けた。また、令和4年3月の管内新規高校卒業予定者の就職内定状況を説明。建設業の求人数はほぼ前年並みだが、内定者は約17%減っているとした。埼玉県県土整備部の天野建設企画担当主幹は、建設業の担い手確保に係る取組を説明。埼玉県の建設従事者は高齢化、担い手不足が顕著であり、働き方改革などの対策が急務。県では、施工時期の平準化、休日確保意識の醸成、週休2日制モデル工事、ICT施工・工事情報共有システム導入等による生産性向上などで県内建設業の働き方改革を後押ししているとした。産業労働部の松尾若年者支援担当主幹は、令和4年度の若年者就職支援施策として、新卒者等の正社員化支援のための合同企業説明会、インターンシップ支援等、若年者の正社員化支援のための正社員しごとチャレンジ事業、正社員になろうプロジェクト等を挙げたほか、新規事業として埼玉県中小企業等人材確保奨学金返還支援事業を説明した。
また、清水工業高校校長会会長は県立工業高校15校の卒業生の令和3年度の進路として、進学者が増え就職者が減っている状況を説明。「子どもの数が減少しており、普通科志向もあり工業系高校では定員割れの学科もある。当校の卒業生一人に対して約20倍の求人がある状況だ。小学生の時期から建設業の魅力を伝えることも必要になっている」と語った。参加者からは「分かっていたことだが、あらためて危機感を覚える。対策は急を要する」との声が挙がった。
挨拶する島村会長 |
当協会と経済調査会の共催による「公共工事における積算マネジメントと契約変更・公共工事と会計検査に関する講習会」が、6月28日午前9時から、建産連研修センター200会議室で開催された。32名が参加した。
公共工事の品質確保とその円滑な遂行について、「改正品確法」とその趣旨に基づく「適切な積算と設計変更」について受発注双方の立場から考える講習会。
第1部では、経済調査会の和田祐二技術顧問・参与が講義。国土交通省など発注者の立場で計画・調査、設計積算並びに契約変更に向き合ってきた経験から、受発注双方に向け、@「適正な設計積算」の方法A契約変更の事例と積算に係る重要事項Bインフラマネジメント―を「公共工事における積算マネジメント」を用いて詳細に解説した。
第2部では、経済調査会の芳賀昭彦技術顧問・参与が講義。「受発注双方で担う品質の確保」という主題で、公共工事と会計検査を講習。最新の指摘事例(設計・積算・施工)を対象に、その改善策・防止策について、実際に現地に足を運び入手した施工不良の現場写真、イラスト等も交えて、分かりやすく解説。また、「改訂14版公共工事と会計検査」をテキストに使い、工事を検査する側の視点で講義した。その後、第1部含めて質疑応答を行った。
受講者には土木施工管理技士会CPDS認定講習会(7ユニット)が付与される。