国土交通省関東地方整備局は、令和4年度の入札・契約、総合評価の実施方針等に関する説明会を6月17日午後2時から、建産連研修センター大ホールで開催、協会会員企業などから約50名が参加した。
冒頭、企画部の甲田知正技術調査課長補佐は、「新型コロナウイルスに関しては、対策を施すことにより現場への影響は最小限に抑えられている。一方で、建設業界は働き方改革、生産性の向上などへの対応が必須だ。遠隔臨場や提出書類のスリム化など関東地整としても受注者の負担軽減に努めている。働き方改革推進のために直轄工事では原則週休2日を適用し、総合評価制度などで受注者の取組を促している。本日の説明会では最新の入札・契約、総合評価の取組を説明するので参考にしていただきたい」とあいさつした。説明会では、実施方針等についての全体的説明の後、休憩を挟んで、営繕工事における各種取り組み、i-Construction(ICT施工、新技術活用)の取組、円滑な施工確保に向けた各種取組―などを各担当者が説明した。
■令和4年度入札・契約、総合評価の実施方針等の概要
【基本方針】
入札・契約及び総合評価落札方式については、「透明性の確保」、「効率的な事務手続き」、「企業の技術力が十分発揮できる競争環境の確保」、「維持管理面を重視した工事の品質確保」が図られるよう適正に実施する。実施に当たっては、改正品確法の基本理念、働き方改革の促進、建設現場の生産性向上(平準化・ICT技術)、社会情勢、建設産業の動向を踏まえ対応を図るものとする。
【見直し項目】(総合評価)
▽更なる担い手確保の観点から若手技術者育成活用促進のため、「若手技術者活用評価型」の配点の変更及び若手技術者の育成指導の評価項目を追加▽更なる地域の担い手・守り手確保のために「自治体実績評価型」の配点変更及び評価項目を一部追加し、名称を「自治体実績チャレンジ型」に変更▽都県・政令市表彰の加点の公平性を図る観点から、「都県・政令市発注工事の表彰」の評価対象期間を見直し▽難工事に従事した技術者のインセンティブ付与を図る観点から、配置予定技術者の技術力「難工事施工実績」「難工事功労者表彰等」の評価対象期間を見直し▽政府調達の対象企業の賃上げを促進するため、賃上げを行う企業から優先的に調達を行うため技術評価点の加算点の評価項目に、「賃上げの実施に関する評価」を追加
【実施方針の適用時期】
公告日が8月1日以降のもの(工事実績に関連する部分の切替日は4月1日)
■i-Construction(ICT施工、新技術活用)の取組
令和4年度新規にICT土工(1000立方m未満)を実施。対象工種は「一般土木工」「アスファルト舗装工事」「セメント・コンクリート舗装工事」「法面処理工事」「維持修繕工事」のうち、1000立方m未満の土工(対象工種)を含む工事。入札公告時に「ICT活用工事」に設定。「施工者希望U型」で発注し、工事成績で加点評価する(1〜2点)。必要経費は変更計上する。
ICT構造物工(橋梁上部)を試行実施。対象工事は「一般土木工事」を原則とし、施工量に関係なく橋梁上部工がある工事を入札公告時に「ICT活用工事」に設定。「施工者希望U型」で発注し、工事成績で加点評価する(2点)。必要経費は変更計上する。
■円滑な施工確保に向けた各種取組
令和4年度の主な取組は次のとおり。
▽令和4年4月1日以降に入札公告する工事を対象に低入札価格調査基準の計算式を改定。「一般管理費等×0.55」⇒「一般管理費等×0.68」▽最新の本社経費の実態を反映し、一般管理費等率を改定▽土木工事標準歩掛の改定=新たに3工種を制定。日当り施工量、労務、資機材等の変動により6工種を改定▽施工パッケージで新規に2工種(床堀工ICT、機械土工・河床等掘削ICT)を制定。補強土壁工で適用範囲を拡大。13工種で日当り施工量、労務、資機材等の改定を行った
当協会と経済調査会の共催で、「今さらきけないICT技術活用〜知らなきゃ損するi-Construction(設計変更編)〜」と題する講習会が、6月17日午後2時から建産連研修センター201会議室で開催された。会員企業から29名が参加した。
ICT施工を導入する際の留意点から利益を確保する手法に至るまで、実際の施工事例に基づき解説。導入を検討しているが、どのようにしたらいいか分からないといった声が多く寄せられるなか、導入の一助として講習会を企画した。
講師は原田英司氏(加藤組取締役土木部長)が務めた。ICT技術導入のメリットとして、中小企業でやるべきICT技術の活用方法、はじめてのICT技術活用を紹介。i-Constructionで設計変更をするためにまず何をするのかとして、生産性向上・利益を確保するためのi-Construction、小規模土工(積算・施工事例の紹介)、BIM/CIM、3次元データの活用を説明。加藤組の事例も紹介した。また、座談会方式で自社のポジション、取引業者の状況を聞きながら原田講師が参加者にアドバイスした。
受講者には土木施工管理技士会CPDS認定講習会(3ユニット)が付与される。
当協会協賛(建設業振興基金主催)による令和4年度建設業経理事務士特別研修(4級)が、6月9日から10日にかけて建産連研修センター101会議室で開催された。44人が参加。最終日に試験を実施した。合格者には4級建設業経理事務士の合格証書が交付される。
1日目の講習は午前9時30分に開始、休憩を挟んで午後5時に終了した。2日目の講習は、午前9時30分に開始、休憩を挟んで午後2時50分に終了し、3時から4時30分まで検定試験を行った。
平岩建設の平岩社長(当協会理事)がWorldfolio(英国通信会社)の取材インタビューを受け、その紹介記事がニューズウィーク・インターナショナル誌(2022年2月19日配信)に掲載された。先に日本語版、中国語版、ベトナム語版に掲載されており、地元建設業者のインターナショナルな取組が全世界に発信された。
インタビュー記事ではまず、同社がBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)システムを活用した設計により、顧客のニーズを正確に把握しているとした。その上で、アジア各国から優秀な人材を建設現場で雇用しているほか、ベトナムにも進出し、現地に精通した日本品質のサービスを提供するなどの国際的な展開を果たしているとことも紹介。また、技術面だけでなく、ノー残業デー、週休2日制など、労働時間の短縮と労働環境の整備に力を入れてることにより柔軟で多様な働き方の実現を目指し、国内・海外、男性・女性を問わず、優秀な人材を集めることができると考えており、労働環境面でも建設業界の先陣を切っていると評価している。
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