国土交通省関東地方整備局は、令和3年度の入札・契約、総合評価の実施方針等に関する説明会を6月9日午後2時から、建産連研修センター大ホールで開催、協会会員企業などから約70人が参加した。
冒頭、企画部の甲田知正技術調査課長補佐は、「国土交通行政への協力に深く感謝する。新型コロナウイルスに関しては、対策を施すことにより現場への影響は最小限に抑えられている。一方で、コロナの影響により我々の仕事の仕方も変化を求められており、建設業界では働き方会改革、生産性の向上などへの対応も必須だ。これまで以上に入札・契約手続きに円滑に取り組め、現場において受発注者のコミュニケーションがより円滑になるよう、本日の説明会を参考にしていただきたい」とあいさつした。説明会では、実施方針等についての全体的説明の後、休憩を挟んで、営繕工事における各種取り組み、i-Construction(ICT施工、新技術活用)の取り組み、円滑な施工確保に向けた各種取り組み―などを各担当者が説明した。また、その他情報提供として、建設現場の遠隔臨場の試行方針などを説明した。
■令和3年度入札・契約、総合評価の実施方針等の概要
【方針】
「透明性の確保」、「効率的な事務手続き」、「企業の技術力が十分発揮できる競争環境の確保」、「維持管理面を重視した工事の品質確保」が図られるよう適正に実施する。実施に当たっては、改正品確法の基本理念、働き方改革の促進、建設現場の生産性向上(平準化・ICT技術)、社会情勢、建設産業の動向を踏まえ対応を図るものとする。
【見直し項目】(総合評価)
▽難工事へのインセンティブ付与のため、「難工事施工実績」、「難工事功労表彰等」を自由設定項目で必須に設定する▽安全管理優良受注者表彰の選定基準見直しに伴い、全工事種別で評価を実施する▽「海外インフラプロジェクト技術者認定・表彰制度」の認定実績及び表彰を配置予定技術者の技術力の同種工事の工事経験及び優良工事技術者表彰で加点評価▽自由設定項目の「重点施策項目」について、「ICT施工技術の活用」、「難工事施工実績」、「難工事功労表彰等」、「若手技術の活用及び資格」を設定する。
【実施方針の適用時期】
公告日が8月1日以降のもの(工事実績に関連する部分の切替日は4月1日)
■その他の情報提供
【建設現場の遠隔臨場の試行方針】
本官工事は発注者指定型により試行。分任官工事は3億円以上は発注者指定型により試行。なお、3億円未満の工事は立会頻度が多い工事など遠隔臨場の効果が期待できる工事について事務所長が発注者指定型に指定して試行。その他の全ての工事についても受注者へ意向を確認し試行を実施。効果が期待されるもの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止にも寄与するものは発注者指定型として扱い、費用の全額を発注者が負担する。令和3年5月1日より入札契約手続きを開始する工事に適用。
【監理技術者の専任緩和】
3500万円以上(建築工事一式の場合は7000万円以上)の工事については監理技術者工事毎に専任が必要であったが、監理技術者補佐を専任で置いた場合は監理技術者は2つの工事まで兼務が可能。
【作業員名簿の提出について】
作業員名簿の変更時の提出は、下請契約の変更等による他様式の変更時に併せて提出すれば良い。他様式に変更が生じない場合は、工事着手時と工事完成時に提出すれば良い。建設キャリアアップシステムに登録していなければ、現場ID、事業者ID、技能者IDの記載は不要。作業員名簿の資格・免許等の写しの添付は不要。令和3年4月1日現在で稼働中の工事及び令和3年4月1日以降に契約する工事において適用する。