当協会主催(青年経営者部会企画・運営)による「埼玉防災シンポジウム2020」が、埼玉県の後援を得て、市民会館うらわ大ホールで、8月27日に開催された。午後2時30分に開幕。新型コロナウイルス感染症対策として、定員478人の会場に対し、参加者を約200人(県職員、会員企業等参加)に抑えるなどソーシャルディスタンスに配慮。サーモガンによる体温測定、マスク着用と検温済みシールの義務付け、消毒液の設置など、万全の対策を施した。シンポジウムのもようは、県内メディア数社で紹介され、建設業の価値と必要性を広く県民に広報することができた。
開幕後、まず、伊田会長が主催者としてあいさつ。「当協会の青年経営者部会が企画立案したもの。新型コロナウイルス禍にある中、さまざまな困難を克服して実施できた。県県土整備部のご協力にも感謝する」と青経部会の労をねぎらうとともに、担い手確保や災害対応に関するより強固な官民の協力体制構築に期待した。
次に、青年経営者部会の平岩部会長が趣旨説明を行い、「2019年に発生した2度に渡る台風やCSF(豚熱)等の災害発生に対しては、行政と協会員により対応することができたが、未だ災害に対する危機管理の意識と能力にはまだまだ準備不足な点があるのではないかと危惧している。今回のシンポジウムは、昨年のCSF(豚熱)、台風19号による県内の災害対応事例を学ぶことで、会員各社の災害意識を高め、災害対応力の強化につなげることを目的に企画した。加えて、県政のトップである大野知事の基調講演を通して、来るべき災害に対する防災、減災の意識高揚を図り、参加者が一丸となって対応していく機運を醸成したい。協会員と県職員の防災意識、今後の課題等を共有することで、官民の連携力を強化していきたい」と語った。
シンポジウムの第1部では、災害対応事例紹介として、伊田テクノスが都幾川右岸緊急復旧の経緯や現場の状況を説明。岩田組がCSF(豚熱)対応事例として、生き物を建設業が扱う難しさを説明した。
第2部では、大野元裕知事が『次なる災害に備える強靭な埼玉の構築』と題して特別講演した。講演後の質疑応答では官民の協調体制が確認された。その後、青年経営者部会の片山幹事の音頭で防災意識を高めるための「頑張ろうコール」が行われ、協会の小川副会長は、閉会の辞で「今は、災害は忘れたいほどやって来る≠ニいう状況。いつ来るか分からない災害に対して、地元建設業は地域の守り手として準備を怠らず、いつでも出動できる態勢を整えていなければならない」と締めくくった。
埼玉県県土整備部が豪雨被害の状況を説明 | |
主催者挨拶をする伊田会長 | 趣旨説明する平岩部会長 |
閉会の挨拶をする小川副会長 | 片山幹事の音頭で頑張ろうコール |
「埼玉防災シンポジウム2020」で、会員2社が災害対応事例を紹介した。
伊田テクノスは、令和元年東日本台風で被災した都幾川右岸緊急復旧を説明。元年10月14日朝の都幾川堤防決壊後、国土交通省の要請を受けて24時間体制で緊急復旧工事を実施。11月8日に復旧工事を終了した。岩田組は、元年9月13日に秩父市吉田地内の養豚場で発生したCSF(豚熱)に対して、県の要請を受けて埋却作業を行った。
都幾川右岸緊急復旧の事例紹介 |
CSF対応事例紹介 |
「埼玉防災シンポジウム2020」で、埼玉県の大野元裕知事が『次なる災害に備える強靭な埼玉の構築』と題して特別講演した。
自己紹介の後、日本一の交通の要衝であり広大な河川を持つ埼玉県の特徴を解説。災害の発生リスクは高まっているとして、令和元年東日本台風の水害状況を説明した。
その上で、災害に強い強靭な埼玉の構築に向けて、ハード面で、治水や道路での対策、都市の防災対策を説明。ソフト面では、防災情報の提供、警戒避難の状況、組織の強化、予算確保の状況などを説明。県内建設業の持続的な発展に向けては、新・担い手3法(品確法・建設業法・入契法)の推進などを挙げた。
挨拶する大野知事 |
埼玉県の防災施策を講演 |