今年度から、全国の国管理河川を対象に、施工方法を工夫することにより、洪水が予測されたときに施工前の堤防形状に戻す等の措置ができる工種について、出水期においても施工できるようにしました。これにより、施工時期の平準化(年間の河川工事の偏りの改善等)や余裕を持った工期の確保を促進し、生産性向上や働き方改革の推進に寄与します。
昨年度は、全国の国管理河川において、作業員や資機材等の退避などの適切な防災措置を講じることを前提に、安全性が確保できる工種を対象に、出水期においても施工できるようにしました。平成30 年度から新たに追加する工種は、遮水対策(矢板)工、耐震対策(矢板)工、地盤改良工、矢板護岸、築堤盛土(嵩上げ)、川裏法尻補強護岸―です。
国土交通省では、公共工事等における新技術活用システムの取組として、平成公共工事等における新技術活用システムの中核となる新技術情報提供システム(NETIS)により、新技術の情報収集と共有、国土交通省工事等での新技術活用効果の評価等を行っています。その中で、優れた技術の活用促進を図るため以下のとおり推奨技術等を選定しました。
【平成30年度推奨技術】
▽GTフレーム工法
【平成30年度準推奨技術】
▽プレキャストシール版▽仮締切LPF工法▽INSEM材製造専用プラント・SR−メサイア▽エンパソル▽簡易支持力試験機エレフット▽小径NSエコパイル工法
建設業界はもちろん、業界を超えて社会全体から応援される取組へと「深化」するシンボルとして、ロゴマークを決定しました。ロゴマークが建設機械や作業着などといった、建設現場を中心としたあらゆるシーンで活用されることで、i-Construction によって若者や女性、高齢者も働きやすくなる新しい建設現場のイメージが社会に浸透していくことを期待しています。ロゴマークのダウンロード先や使用マニュアルについては、国土交通省ホームページ上に掲示します。
運用基準を改定し、対象構造物及び対象技術者の拡大を図ります。技術者の軌跡を残すことで土木技術者の誇りとやりがいを伝え、建設業界の担い手確保につながることを期待しています。
平成30年6月1日以降に入札公告を行う工事とします。対象技術者は元請施工会社の担当技術者まで拡大。下請施工会社の会社名、専任技術者を新たに加えます。対象構造物は12構造物に拡大します(大規模法面、揚・排水機場を追加)。契約または入札公告済みの工事においても、受発注者の協議により適用を可能とします。
土木工事書類作成マニュアルは前回の改定から7年が経過しており、その間の各種通達等への適合及び受発注者からの改善意見等を踏まえて記載内容を見直し、書類の作成に要する労力の軽減、受発注者双方の業務の効率化を図るため改定します。
【改定のポイント】
■各種通達等の改定に伴うもの
▽土木工事共通仕様書等の改定に伴う条項、文面の修正
▽情報共有システムに係る事項について新規記載
■受発注者からの改善意見を踏まえ、解説等の追加、修正を実施
▽品質証明員の現場経験等の具体例を追加
▽材料確認について、解説を追加
■作成不要な書類を明確にし、工事関係書類を約1割削減
これまでの実績を踏まえつつ、引き続き法令遵守等に厳正に対応することとし、平成30年度活動方針は以下のとおりとしました。
【重点事項】
▽建設業法令遵守ガイドライン(平成29 年3月改訂)等の周知・徹底▽建設業における社会保険加入対策の推進
【主な活動内容】
①駆け込みホットライン(建設業法違反通報窓口)の運営、利用促進の周知
②建設業フォローアップ相談ダイヤルの運営、利用促進の周知
③立入検査の実施
▽社会保険加入を推進するための周知徹底▽安全衛生経費の確保の確認▽下請負者に対する支払代金の支払手段等の確認▽平成31年10月に消費税が10%に引き上げられる予定であることから、下請取引において消費税を見込んだ適正な価格による契約の締結を行うための周知徹底▽建設業法の適正な施行の確保・徹底(監理技術者、主任技術者、営業所専任技術者の適正配置及び施工体制台帳・施工体系図の整備)
④建設業取引適正推進月間(11月)の実施について、幅広く周知が図られるよう広報。関係機関(都県と関係省庁等)と一層の連携強化に努め、建設業法令遵守や建設業行政の動向等を周知・徹底