初雁興業(関根勇治社長)は、熊谷工業高校の生徒を対象に、ICT活用工事である「荒川西区宝来中築堤工事」の現場見学会を2月15日に開催した。
午前10時に荒川上流河川事務所西浦和出張所に集合した一行は、初雁興業の監理技術者から①工事の概要・ICT活用施工の概要説明②3次元起工測量③3次元データ処理④ICT建設機械による施工⑤3次元出来形管理について説明を受けた。この中では、「情報化施工活用(ICT土工)」などの施策を建設現場に導入することによって、建設生産システム全体の生産性向上を図り、魅力ある建設現場を目指す取り組み(i-Construction)について説明が行われ、特に、①オペレータの技量に左右されず均一で正確な作業が可能となるほか、人手から機械化施工へ現場作業が置換わることで、巻き込まれや接触事故の低減が図られ安全性が向上する②丁張りを設置することなく、施工の生産性を上げられるほか、作業効率が大幅に向上し、工期短縮と省人化が図られる③三次元設計データを元にした施工で、点管理から面的管理へ移行したことで、すべての場所で高精度な施工が可能になるなど、情報化施工のメリットが強調された。
さらに、「安全で安心な地域を支える仕事に携わる、将来を担う建設技術者になりませんか?」と題し、社会資本の整備と維持・補修、災害対策工事・復旧工事、建設技術者の仕事など、建設業が担う役割について分かりやすく解説した。
午前中の座学終了後、午後からは荒川西区宝来中築堤工事の施工現場に会場を移し、参加者に3Dレーザースキャナー自動追尾TS、ドローン、マシンコントロールマシンガイダンス・マシンコントロール、締固め監理などの実態を見学してもらった。
平成28年度(下期)建設業経理検定試験が3月12日、さいたま市の芝浦工業大学で行われた。
受験申込者は延べ927名(昨年は873名)。このうち受験者は531名(昨年は529名)で、受験率は58%(昨年は61%)。
受験科目の内訳は、1級財務諸表に63名、1級財務分析に57名、1級原価計算に67名、2級に263名、3級に81名の計531名の結果となった。
この検定試験は、建設業振興基金が各都道府県建設業協会などに委嘱して全国一斉に実施したもので、試験監督および試験監督補佐に、協会職員ら16名、ユーディケー、埼玉建興、和光建設、斎藤工業の会員企業からそれぞれ2名、東日本建設業保証埼玉支店4名の、計28名のスタッフが試験進行に当たった。
埼玉県建設産業担い手確保・育成ネットワークは、28年度総会を3月29日午前11時から建産連研修センター200会議室において開催、28年度事業の実施報告を行うとともに、平成29年度事業の実施計画を決めた。
開会に先立ち挨拶に立った古郡会長は、「地域の産・学・官が一体となって担い手確保・育成のための人材づくりに必要な事業を推進することを目的に昨年3月に設立されたが、この1年の関係団体・機関の取り組みに対し感謝申し上げる。建設産業界は依然として低価格受注による競争が続いているが、一方では週休2日制をはじめとする労働環境の改善や、ICTの活用による生産性の向上など課題が山積している。これらに積極的に取り組み、当ネットワークに参加してよかったと思えるような成果を出していきたい」と述べ、引き続きの協力を要請した。
29年度の主要事業としては、28年度に引き続き入職促進のための広報・イベント、インターンシップ、現場見学会、職場定着・資格取得を目的とした新入社員研修、フォローアップ研修、資格取得支援研修、シニア指導者育成研修、また、女性活躍を促進するための現場見学化やフォローアップ研修などが計画されている。
また、同日は「建設産業の担い手確保・育成に力を合わせて取り組む決議」として①経営基盤の強化②技能労働者の賃金改善③重層下請構造の改善④社会保険未加入対策の推進⑤休日の拡大⑥建設現場の環境改善⑦女性の活躍⑧入職・定着促進が採択された。