一般社団法人埼玉県建設業協会

トピックス 2016年3月号

官民協働による高校生現場見学会
情報化施工の技術を体験

 青経部会と荒川上流河川事務所は、いずみ高校環境建設科の学生(2年生、29名)を招き、「高効率・高精度施工が可能な、情報化施工による堤防強化工事」の現場見学会を1月21日に開催した。
 現場は、さいたま市西区で古郡建設が施工する「荒川西区昭和外築堤工事」で、施工に協力するコマツレンタル、埼玉測機社、イマギイレの3社も参加した。
 見学会に先立ち、吉川副部会長が、「昔と違いIT化が進んでおり、最先端の情報化施工の技術が身近にあることを、将来を担う学生の皆さんに学んでほしい」とあいさつするとともに、「災害などで真っ先に現場に行き、復旧活動をするのは我々建設会社だ。地域に貢献できるすばらしい仕事であることを知ってほしい」と熱く語った。
 この現場は、GNSS(衛星測位システム)を活用した三次元測量や、GNSSなどのリアルタイム位置情報と三次元設計データを用いた、自動制御のブルドーザやバックホーの運用など、新しい施工技術(情報化施工)を導入して施工していることを紹介した後、自動コントロール建設機械による工事見学のほか、GNSSを活用した三次元測量体験、自動コントロール機への試乗などが行われた。
 見学会終了後は、UAVによる記念撮影が行われ、生徒たちは歓声を上げていた。
なお、現場見学会を終えて生徒達全員から感想文が送られてきたので、その内の幾つか紹介させていただきます。

「お忙しい中見学させていただき、ありがとうございました。自分達は小型重機の資格を取ったばかりだったので、小型重機の何倍もの大きさでとても迫力があり、セミオートで掘れるのには驚いた。あの機能があれば誰でも簡単に地面を掘ることができるのでハイテクだと思った。ブルドーザも何回通ったか分かるのですごい時代だと思った。測量をするやつは、遠隔操作で探してくれてできるのですごく驚きました。スピードも正確さも上がるので、自分もあれを使ってみたいと思った。生でドローンを見ることができて良かった。今回の職場体験で、普段勉強している土木や測量の知識が、さらに理解することができたのでとても良い時間だった」

「今回、見学した現場はトータルステーションやバックホーなど、最新技術が発達していて、見ているだけでも楽しかったです。行く時は寒くて行きたくなかったけれど、自分で扱ったことのあるバックホーとはまた違う制御可能なバックホーや、初めて見たドローン、これまで測量で扱っていたものと違う電卓が不必要なトータルステーションなどを見て、寒さも忘れるくらい興味津々で見学できて良かったです。建設現場におられた方々が、説明も作業方法も優しく少しでも理解できるよう説明してくれて、機械の知識が増えていく一方で、体験もさせてくれて嬉しかったです」


女性活躍推進セミナー開く
会員2社の事例紹介も行われる

 当協会と埼玉県による「女性活躍推進セミナー」が1月22日、建産連研修センター101会議室で開催された。
 今回のセミナーは、業界と行政が一体となって、女性が活躍できるフィールドを拡大していく趣旨で開催されたもので、女性活躍推進コンサルタント(アイプロジェクト代表)の大西素子氏が「女性の活躍推進で企業成長へ」について講演したほか、会員2社(岩堀建設工業、平岩建設)の事例紹介が行われた。
 大西講師は、「なぜ女性活躍が必要か」「どのように女性活躍を実現していくか」について、各種データに基づき解説するとともに、女性活躍推進がもたらす多くの経営効果を挙げた。
 事例紹介で岩堀建設工業は、「女性従業員は11名で、唯一の女性現場監督のほか、育児休業でいったん退職後、復職し過去の経験を生かし現場支援業務を担当させるなど、多様な働き方を支援している」ことを紹介した。また、「現場には女性更衣室・専用トイレ設置している。女性の力を尊重しているが、女性役員が誕生し、目指す存在ができたことも大きい。16年度も現場監督を希望する女性が1人入社する予定だ(岩本情報マネジメント事業部長)」と近況を語った。
 平岩建設は、女性従業員11人のうち1人が現場監督として活躍。育児休業制度や能力次第で昇進昇給できる人事制度など、男女の区別なく活躍できる仕組みや、現場の女性更衣室・専用トイレの設置などの環境整備に力を注ぐ。「採用の際、現場の技術職を希望する女性には、現在活躍中の女性の事例を積極的に公開している。女性の応募は増えており、子育ての制度もあるので、活用してもらえるよう力を入れていきたい(伊藤管理部採用担当事務長」と語った。


口蹄疫防疫演習行われる
川越支部中心に50名が参加

 平成27年度の「口蹄疫防疫演習」が1月26日午後1時から、狭山市内にて行われ、当協会の川越支部を中心に50名程度が参加した。
 まず、狭山市農村環境改善センターで机上演習が行われ、①口蹄疫とは②宮崎県における口蹄疫の発生状況③口蹄疫発生時の体制などについて説明を受けた。
 続いて、防護服の着脱を練習した後、会場を狭山市松本牧場堆肥舎裏に移し実地演習を行い、昨年同様に牛の模型を活用した埋却作業の実演が行われた。
 埋却箇所の選定においては、原則、発生地の事前選定箇所であるが、発生状況や掘削現地の地下水位などで、掘削深さ、範囲などにも影響することが解った。また、今後の課題として、口蹄疫と確定した後、72時間以内に埋却処分を完了させなければならないことから、夜間作業対応(資機材、作業班編成の多重化など)も検討する必要があることも判明した。


協定締結後初の実地訓練
下水道施設の応急復旧対策

 埼玉県下水道局は、大震災に備えた下水道施設の復旧対策訓練を当協会と2月15日午前9時から、荒川水循環センターと中川水循環センターにおいて実施した。
 下水道局と当協会では、昨年6月1日に災害協定を締結しており、今回は締結後初の実地訓練となった。訓練では、埼玉県南部地域において震度6強、その他県内全域において震度6弱の直下型地震が発生し、処理場(荒川水循環センターと中川水循環センター)が機能停止したと想定し、当協会に対し応急復旧の協力要請が行われた。
 まず、下水道局は処理場の被害状況を把握したうえ、当協会支部(越谷支部とさいたま支部を除くその他の支部は連絡確認のみ)に対して応急復旧の協力要請を発令、越谷支部・さいたま支部は処理場に人材と重機類を派遣、仮設水路を掘削、約3時間で終了した。


建設廃棄物適正処理の
講習会開かれる

 当協会および建設六団体副産物対策協議会、建設マニフェスト販売センターとの共催による「建設廃棄物の適正処理に係る講習会」が2月23日午後1時から、建産連研修センター101会議室で開催され、約60人が参加した。
 当日は、オリエンタル白石本社安全・品質・環境管理室長の吉田長太郎氏、大成建設安全本部環境部の佐久間裕子課長代理、建設マニフェスト販売センターの戸田伊作総務部長が講師となり、建設廃棄物の適正処理に向け、環境関連法体系と建設廃棄物、排出事業者責任について講演が行われたほか、休憩を挟んだ第2部では、建設リサイクル法と廃棄物の委託処理について、第3部ではマニフェストによるに管理についてなどの解説が行われた。
 当講習会は、土木CPDS認定講習(4ユニット)と建築CPD認定講習(3時間)が付与される。

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