受注環境の改善を中心に、県担当部署との意見交換会が11月26日午前10時から、別所沼会館で開催された。県側からは、県土整備部、都市整備部、総務部の幹部ら10人が、当協会からは正副会長、支部長、建築委員長、青経部会長ら19人が出席のもと、当協会側から提出された4テーマを中心に意見を交わした。
冒頭、挨拶に立った真下会長は、「7月に会員を対象に実施した経営アンケート調査結果を見ると総じて改善傾向が見られるが、若年労働者の確保・育成のためにも公共事業費の安定的な確保が継続して必要。本日は、公共事業を取り巻く諸課題を議題に、率直な意見交換を行い、官民相互理解を深める有益な機会とさせていただきたい」と述べた。
これに対し柳沢・県土整備部長が、「県内においても様々な自然災害が発生、地域の業者の方々にご協力をいただき感謝申し上げる。依然として厳しい経営環境が続いていると思われるが、本日伺ったご意見などは今後のより良い公共調達に向け活かしていきたい」とあいさつ、忌憚のない意見を求めた。
当協会からの要望は、@公共事業予算の見通しA入札契約制度についてB総合評価方式についてCその他―の4項目(詳細は別掲)。
この内、公共事業編成方針については、「現段階では正確にはお伝えできないが、収支不足は否めず、選択と集中により投資効果の高い事業に対しできる限り多くの予算確保に努める」との考えを示した。
入札契約制度では最低制限価格、調査基準価格の引き上げ、入札参加条件の制限緩和、入札参加資格の改善などを求めたのに対し「公共工事の品質確保のため、直近では6月に失格基準の見直しを行ったばかりでしばらく推移を注視していく」としたほか、「入札参加条件設定ガイドラインは、工事の内容で使い分けており、極端な地域要件をかけてしまった場合、年度によっては受注格差が生まれる恐れがある。ご指摘の点は引き続き問題意識を持って対応していく」と述べた。また、入札参加資格の改善(特定・一般の区分けを明確に)については、「公告を作成する段階で限定するのは難しい。工事成績の良い業者へのインセンティブ発注については増やす方向で検討する」との見解を示した。
総合評価の評価アップ(災害活動実績の評価)については「他の評価項目との関係で検討課題とさせていただきたい」、さらに、総合評価の適切な運用についても、活用拡大の必要性は認めたものの、改善内容については今後の検討課題とした。また、落札者決定までの期間短縮については、「技術者の拘束については改善できた」とし、その他の項目についも制度改正の中で検討するとした。
道路除雪の業務委託について、業者が減少していることを踏まえ、今一歩踏み込んだ施策を求めたのに対し、「協議の場」を設け、より良い調達方法を検討していくと回答。
当初設計の確実性については、受・発注者双方が理解するため、設計変更ガイドラインの整備を進めていることを明らかにする一方、提出書類の簡素化についても、可能な限り少なく、必要最小限の意識をもって取り組んでいくことを約束した。
さらに、入札の中止については「積算ミスなどの不手際により迷惑をかけているが、極力少なくするよう制度面で検討する」とした。
フリー討議中で、県側から「橋りょう耐震補強と橋りょう修繕工事の入札において、不調となるケースが増えている」原因について質問があり、「これまでにこの業種の工事が少なかったために協力業者が少なく即対応することは難しい。専門技術者は簡単には育たず、長期的展望が見えることが必要」と回答するとともに、「経営、雇用の安定と魅力ある産業とするためには落札率のアップが必須課題だ」とする意見に集約された。
協会提案議題
フリー討議
・若手入職者雇用及び育成について(民間企業等経験者職員採用)
・橋りょう耐震補強工事及び橋りょう修繕工事の入札執行状況について
埼玉県建設産業構造改善協議会(埼玉県建設管理課)・当協会主催、埼玉建産連・東日本建設業保証埼玉支店後援による「彩の国建設業経営改善セミナー」が、12月2日午後1時30分から、建産連研修センター101会議室において開催され、会員企業ら約50人が参加した。
「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税転嫁を阻害する行為の是正などに関する特別措置法」は、平成26年4月1日と平成27年10月1日に予定されている、消費税率の引き上げに際し、特別措置を講ずることにより、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保することを目的に制定された。請負契約という建設工事の特性から、発注者との関係で弱い立場に置かれる建設産業で、増税分の値引きを求められるなどの状況が生じることのないよう、消費税の円滑かつ適正な転嫁を目的に今回のセミナーは開催された。
テーマは、「建設業行政の最近の動き〜消費税転換対策など〜」について関東地方整備局建政部の小丸政重・建設産業第一課課長補佐が講師を担当したほか、第二部では、関口 清元銀行支店長が「金融機関からワンランク上に見られるテクニック〜格付けの仕組みや評価方法〜」について講演を行った。
平成25年度若年建設従事者入職促進協議会並びに建設雇用改善推進委員会(労働委員会)が12月20日午後1時から、建産連研修センター203会議室で開催され、25年度事業の実施報告を行うとともに、26年度事業計画を決めた。
また、人手不足を背景に当面の建設人材確保対策や、当協会が25年度事業で行った土木・建築系学卒者の就職動向調査を巡り意見交換が交わされた。
会議には、埼玉県からは鈴木建設管理課主幹、寺田高校教育指導課指導主事が出席したほか、埼玉労働局職業安定部の青鹿・職業対策課長、春日部工業高校の滝田校長が出席。業界側からは島田労働担当副会長、忽滑谷労働副委員長、島村土木委員長、荻野電業協会会長ら8名が出席した。
[議 題]
平成25年度事業実施報告について
平成26年度事業計画について
事務局より一括説明、特に異議なく原案どおり承認された。
特に26年度については、これまでの指導援助事業、啓発・広報事業、定着促進事業のほか、入職促進事業の中に「建設現場見学会のための現場斡旋の取り組み」や「県内建築・土木科の大学への入職に関する事業」を加えることとした。
当面の建設人材確保対策について
埼玉労働局職業対策課より、「建設・土木技術者における有効求人倍率は、3.16倍、建設躯体工事の職業は同6.45倍、建設の職業は同3.88倍となっており、人手不足の状況が顕著」と指摘され、このため、建設人材不足への対応として、(1)ハローワーク大宮を建設人材確保プロジェクト実施安定所に指定、各種の取り組みを展開 (2)建設関係事業所のミニ面接会・合同面接会をハローワークで開催 (3)建設業団体、地方公共団体、地方整備局との連携などの取り組みを実施していることが報告された。
土木・建築系学卒者の就職動向調査について
清水事業部長より、6月から7月にかけて実施した「就職動向調査」について説明、「土木・建築系学科ともに建設関係(県内建設業)への就職者が増加傾向にある」実態が報告された。