一般社団法人埼玉県建設業協会

トピックス 2013年10月号

労働安全研修会を開催
全建と共催

 協会は全国建設業協会と共催で、「労働安全を中心とした研修会」を8月28日午前9時から、建産連研修センター101会議室で開催、37人が参加した。
 同研修は、現場などで実際に労働安全に携わる者や関係者を対象に開催したもので、「フィギアを使ったリスクKY」の研修において、参加者による演習と発表を取り入れているのが特徴。
 同日は、中込労務安全事務所の中込平一郎・所長と労働安全衛生総合研究所の高木元也・上席研究員を講師に、(1)頻発労働災害の防止とヒューマンエラー対策(2)危機管理(労働災害発生防止のための危険の特定と低減対策)(3)効果的な安全施工サイクル(グループ討議)(4)フィギアを使ったリスクKY演習・発表(5)人間心理から見る災害防止について、6時間にわたり研修を受けた。
 なお、同研修受講者には、全国土木施工管理技士会連合会認定のCPDS6ユニットが付与された。


「安心・安全」を建設業が確保
災害発生時に相互支援
10都県建協が協定

 当協会は8月30日、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、新潟県、長野県の各建設業協会と広域・大規模な災害時に相互支援するための協定を締結した。
 協定では、大規模災害が 発生した際に、各建協が救援・支援活動を円滑に実施することを定めている。あらかじめ相互支援のための連絡窓口を各建協が設置し、国、都県など関係機関から要請があった場合、提供可能な資機材、派遣可能な人員数と期間の情報を被災都県に提供する。
 関東甲信越ブロックの代表を努める新潟建協の本間会長は「地域の安全・安心を守る社会的役割を的確に果たしたい」と協定の意義を強調するとともに、「地域の建設業が、安全・安心の確保のための役割を果たしているというイメージを広く理解してもらうことにもつなげたい」と期待した。
 一方、全建では各都道府県が災害対応を検討するためのガイドラインである「全建災害対策行動指針」の改訂版をこのほど発行した。そこには、東日本大震災の教訓を踏まえ、広域的な災害支援体制の整備のほか、災害対策基本法に基づく政府や自治体の防災計画の中で、防災組織の一員に位置付けられる重要性、災害時活動の広報方法などが盛り込まれている。地域防災計画において指定地方公共機関に位置付けられると「災害時優先電話」に指定されるほか、防災会議委員になることで各行政機関との情報共有や連絡・調整機能の充実を図ることができる。
 8月1日時点で、北海道、栃木、長野、岐阜、静岡、高知、佐賀、長崎、熊本、宮崎の10道県の協会が指定公共機関に指定されており、近く鹿児島県協会も防災会議委員に就任する見込み。


1・2級に275名が挑戦
平成25年度(上期)建設業経理検定試験

 平成25年度(上期)建設業経理検定試験が9月8日、上尾市の聖学院大学で行われた。
 受験申込者は延べ477名(前年比79名減)で、このうち受験者は275名(同39名減)。受験率は57.6%となり昨年の56.5%より1.1ポイント増加した。受験科目の内訳は、1級財務諸表に48名、1級財務分析に38名、1級原価計算に34名、2級に155名の計275名の結果となった。
 この検定試験は、建設業振興基金が各都道府県建設業協会などに委嘱して全国一斉に実施したもので、試験監督および試験監督補佐に、協会職員ら15名、建産連2名、さいたま支部2名、東日本建設業保証埼玉支店4名の、計23名のスタッフが試験進行に当たった。


土木・建築系学卒者の就職動向調査
さらなるイメージアップと
大学生を対象とした事業必要

 当協会は、土木・建築系学卒者の就職動向についてアンケート調査を実施した。
 調査対象校は、土木系がいずみ高校、熊谷工業高校、秩父農工科学高校、建築系が浦和工業高校、大宮工業高校、春日部工業高校、川越工業高校、熊谷工業高校の計7校8学科。 アンケート項目は、(1)3年間の就職動向(2)県内建設関係就職先企業(3)就職動向についての意見の3項目で6月〜7月にかけて実施した(結果については別表参照)。
 この中で、土木・建築系学科ともに建設関係の就職者が増加傾向にあることが明らかとなった。特に、県内建設業への就職者が増加傾向にあるのは、これまでの事業の成果とも言えるが、県内建設業への就職者が他業種の就職者を上回ったのは、平成25年3月が初めてであるため、今後も動向を注視していく必要があるものと思われる。
 また、「県内建設業の求人が少ないため、他業種を選択する生徒が多くなる」との意見が2校から寄せられたが、確かに他校に比べ他業種への就職が圧倒的に多く、会員企業の情報を積極的に提供していく必要がある。さらに、「現場監督見習いの求人は多いが、建設業は大変というイメージが強く希望者が少ない」との意見もあり、インターシップの受け入れや社会貢献活動の効果的な広報など、一層のイメージアップを図る必要があることが浮き彫りとなった。
 一方では、「現場見学会を実施すれば、建設業に関心を持つ生徒が増えるのではないか」との提言もあったが、19年度まで実施していた見学会の廃止の経緯などを踏まえ実施の有無のほか、大学生を対象とした事業も検討し、会員企業が求める人材に即した事業を展開していくことを検討する段階に入ったとも言える。


平成25年度
【県内建設業の経営及び実態調査等に関するアンケート結果】
(一社)埼玉県建設業協会

Ⅰ 調査目的

 近年、建設投資が減少し、一般競争入札、総合評価方式の適用拡大がされるなか、受注競争が激化し、ダンピング受注などによる影響で技術者・技能者の処遇が悪化するとともに、若手入職者の減少、離職が顕著に現れてきていると言われています。そこで、会員の会社経営状況、建設従事者の実態を把握し、中長期的な担い手を確保するために必要な継続的な公共投資の必要性を唱えるなど、関係機関等への改善要望資料として活用する。

Ⅱ 調査対象、実施時期、実施方法

対象企業:原則全会員(422社)
実施時期:平成25年7月22日(月)〜8月20日(火)

1.回答企業の概要について

◆回 答 数:98社  (回答率約23%)

◆地域区分(無記入社あり):

1.県南部地域(さいたま・北本・朝霞の各県土整備事務所管内):29社
2.県西部地域(川越・飯能・東松山の各県土整備事務所管内):26社
3.県北部地域(熊谷・秩父・本庄の各県土整備事務所管内):23社
4.県東部地域(越谷・行田・杉戸の各県土整備事務所管内):20社

地域区分

◆業種及びランク(重複有り):

土木   【@:20社 ・A:47社 ・B:14社 ・C:4社 ・D:0社 】
建築   【@:16社 ・A:10社 ・B:8社 ・C:7社 ・D:10社 】
電気   【A:1社  ・B:3社 ・C:0社 】
管、空調 【A:7社  ・B:6社 ・C:3社 】
造園   【A:4社 ・B:3社 ・C:2社
舗装   【A:20社 ・B:9社 ・C:4社 ・D:0社 】

◆資本金:

1.1千万円未満 【 1社 】
2.1千万円以上〜3千万円未満【 30社】
3.3千万円以上〜5千万円未満【 31社】
4.5千万円以上〜1億円未満【 24社】
5.1億円以上【 9社 】

◆平成24年度完成工事高(無記入社あり):

  前回調査今回調査
1.1億円未満【 4社 】 ・・・・・【 1社 】
2.1億円以上〜3億円未満【 23社】・・・・・【 21社】
3.3億円以上〜5億円未満【 11社】・・・・・【 8社 】
4.5億円以上〜10億円未満 【 26社】・・・・・【 28社】
5.10億円以上【 9社 】・・・・・【 36社】
完成工事高(H24)

結 果:前回調査に比べ完成工事高が増加傾向の会社が増える

◆従業員数(無記入社あり)

1.10人未満 【 10社 】
2.10人以上〜30人未満【 53社 】
3.30人以上〜50人未満【 15社 】
4.50人以上〜100人未満【 11社 】
5.100人以上【 8社 】
従業員数

2.経営環境について(現状と課題)

◆経営状況
(1)貴社の経営状況について、1年前と比較してどのような状況ですか。(無記入社あり)

  前回調査今回調査
1.良い【 0社: 0% 】 ・・・・・【 4社: 5% 】
2.少し良い 【 13社:18%】・・・・・【 21社:24%】
3.横ばい 【 32社:44%】・・・・・【 39社:44%】
4.少し悪い 【 13社:18%】・・・・・【 11社:12%】
5.悪い 【 13社:18%】・・・・・【 11社:13%】
6.わからない 【 2社: 2% 】・・・・・【 2社: 2%】
経営状況(今回)

結 果:期待感も含めて、前年度調査に比べ上向き傾向
(少し良い・良いが微増)

(2)最新の工事利益はどうですか。(1社当たり平均値:無記入社あり)

(前回調査)【今回調査】
完成工事高 1,623(百万円)1,815(百万円)
工事原価 1,469(百万円)1,648(百万円)
工事粗利 154(百万円)167(百万円)
同利益率(%) 9.5(%)9.2(%)
一般管理費 136(百万円)150(百万円)
工事利益 18(百万円)18(百万円)
工事利益(百万円)

考 察 :前年度より、完成工事高は微増であるが、それに伴って工事原価も高く、工事利益は、一般管理費等での調整で、「横ばい」状況である。

(3)この1年間における定期昇給について

(前回調査) 【今回調査】
・【有 :42%・・・・・・57% 】
・【無 :58%・・・・・・43% 】
定期昇給(今回調査)

(4)この1年間におけるボーナスの支給について

  (前回調査)今回調査
・H24年 夏期【 有 :69% 】 ・・・・・【 有 :74% 】
  【 無 :31% 】・・・・・【 無 :26% 】
・H24年 冬期 【 有 :79% 】・・・・・【 有 :77% 】
  【 無 :21% 】・・・・・【 無 :23% 】
・H25年 夏期 【 有 :66% 】・・・・・【 有 :72% 】
  【 無 :34% 】・・・・・【 無 :28% 】

(5)現在、経営上及び技術上、最も懸念していることは何ですか。(重複者あり)

  (前回調査)  今回調査
経営上 1.受注高減少による経営状況【28社:34%】・・・・・【23社:23%】
2.受注競争激化による収益低下【51社:61%】・・・・・【65社:65%】
3.売掛金回収不能等による財務内容 【 0社:0% 】・・・・・【 0社:0% 】
4.社員の継続雇用関係 【 3社:4% 】・・・・・【 9社:9% 】
5.その他 【 1社:1% 】・・・・・【 3社:3% 】
   
技術上 1.技術力継承の不安【26社:33%】・・・・・【54社:60%】
2.災害防止活動等の地域協力【 7社:9% 】・・・・・【 5社:6% 】
3.技術社員の継続雇用関係【42社:54%】・・・・・【27社:30%】
4.その他【 3社:4% 】・・・・・【 4社:4% 】

結 果:受注競争激化による収益低下は、依然として各社の大きな課題である。合わせて、既存技術者の高齢化とともに若手雇用問題を含む「技術力継承」の課題が大きく上昇してきている。

(6)今後の経営見通しについて (無記入社あり)

  (前回調査)今回調査
1.全く心配ない【 0社: 0% 】 ・・・・・【 0社: 0% 】
2.工夫して乗り切る 【 56社:69%】 ・・・・・【 73社:76%】
3.存続が心配 【 22社:27%】 ・・・・・【 13社:14%】
4.わからない 【 3社:4% 】・・・・・【 10社:10%】
経営見通し(今回調査)

3.経営環境について(現状と課題)

(1) 役員及び従業員数(無記入社あり)

【提出会社数98社:H25.4.1現在】
種別 役 員 及 び 従 業 員 数 (人)
役 員 事務・営業 技術者 技能労働者
常用雇用 臨時雇用 常用雇用 臨時雇用 常用雇用 臨時雇用
合計 318 79 467 323 9 22 1,902 26 10 0 560 13 45 1

(2)役員及び従業員(常用雇用者)の年齢階層(無記入社あり)

役員年令構成(人)
常用雇用者(人)
臨時・日雇い雇用者(人)

(3)職種別人数及び年齢階層(常用雇用者)

【提出会社数98社:H25.4.1現在】

県内建設業:職種別年齢構成(人)
事務・営業年令構成(%)
技術者年令構成(%)
技能労働者年令構成(%)

(4)H22年度 〜 現在までの社員数について【常用雇用者】

年次別社員数(常用雇用)

(5)自社の今後5年間の従業員数(見込み)

1.大きく減少 【 2社:2% 】
2.微   減【 12社:12% 】
3.横 ば い【 64社:66% 】
4.増   加【 19社:2% 】
今後5年間の従業員数(見込み)

(新卒者採用状況)
(6)平成22年度〜現在までの「新卒者」採用状況       【324名】

新卒者採用状況(H22〜H25年度)

●新卒者採用内訳(平成22年度〜現在)

事 務 ・ 営 業
種別 高等学校 専門学校 短大・高専 大学(院) その他
計(人) 2 7 3 0 1 11 12 17 1 3
技  能  労  働  者
種別 高等学校 専門学校 短大・高専 大学(院) その他
計(人) 27 0 1 0 0 0 0 0 6 0
技   術   者
種別 高等学校 専門学校 短大・高専 大学(院) その他
計(人) 37 3 29 0 8 1 143 8 4 0

考 察:新規雇用については、各社苦心していて微増傾向から横ばい状況になってきている。魅力ある産業としての建設業の位置づけをPRするなど、今後も若年者雇用について工夫を重ねる必要がある。

退職者状況
(7)平成22年度〜現在までの「退職者」状況         【819名】

退職年齢(H22〜H25年度)

考 察:20代〜30代の若手社員の退職が多く、高齢者の定年退職で「技術の継承」問題が大きくなっていることがうかがえる。
【賃金・休暇・転勤・将来性・過酷な労働環境・魅力ある建設業の欠如などが課題】

退職理由(人)(H22〜H25年度)

考 察:社会資本整備費の縮減や入札方式の変化そして、就労条件・職場環境などから、より安定した企業、より良い職種へ転職をしている傾向がうかがえる。また、一定期間の職場経験を経てから、「安定志向・民間職業経験採用枠」での公務員への転職も若年者において増えている。

(8)技能労働者について(主な意見・要望)
◆技能労働者の「雇用面」での具体的課題(職種及び具体的課題など)

  1. 年間を通じて仕事量が一定化しない。夏季は、仕事量が少なく必要な人員は直営で確保できるが、冬場は仕事量が多く、間に合わせるため外注せざるを得ないので年間を通じての仕事の平準化が必要。
    一社では、仕事量が少なく、特定の技能工(鉄筋、型枠、OP)を直接雇用できない。
  2. 当社は、試用期間(2〜3ヶ月)後、正社員として雇用していて、日給制とは違い、保険、給料、休日、その他技術者と同じ条件なので、全員「やる気」があり、活気のある現場が多く助かる。課題は、従事する現場が、一時的になくなった時、給料制なので、この空白が無いよう受注できるかが気がかり。
  3. 日給月給であれ社員として常時雇用をした場合は、経営面で赤字となり、会社としての雇用環境が悪化してしまう。
  4. 企業経営が上向かない限り、雇用対策の方法はない。建設企業が技能労働者へ高い賃金を支払える状況にならなければ、人(特に若者)は、集まってきません。
  5. 収入に魅力が無いから若い人が集まらない。休みも少ない。
  6. 会社の将来を考慮すると、毎年一定の人数を新規雇用したいところですが、経営の不安定さが優先して雇用することが出来ない。よって、バランスのとれた社員組織が構成できない。
  7. 待遇面(雇用環境・給与・労働時間・肉体労働に対する偏見)が悪いため、技術者を目指す若者が少ない。
    適正な利益の出る仕事が少ないため、工期や現場配属人数にしわ寄せがきている。
  8. 我が社はアスファルトプラントを所有していることから舗装技能工を確保しています。技能の継承を図るために若い高卒者を採用し、技能の習得を先輩から後輩に指導しています。
  9. 最近は、建設業に従事する若い人達の人数が減り、3Kの代名詞のような仕事は敬遠される傾向がある。しかし、なかなか利益確保が出来ない現状では、待遇を改善していくことも難しい。
  10. 地方自治体では、民間企業等経験者(5年以上又は建築・土木の有資格者)を対象に募集を行っているが、民間企業経験者の募集は辞め、大卒等の新規採用を図り、日本全体の雇用改善に努めるべきではないか。また、地方自治体は若い人を雇用し指導育成する知力と義務を兼ね備えていると思います。
  11. 新卒者求人先が、大手企業や発注官庁を希望する傾向が強く、中小企業の希望者が少ない。運転免許制度の改定により、18歳で卒業する高卒は、中型免許の取得が出来ないため、採用を躊躇している。
  12. 高度成長期の建設技能労働者は、建設業以外の業種と比較しても金銭的待遇が良く他業種よりは職に就く人が多かった。現在は、「技能労働者になりたい」という人はいないと思う。それは、建設業以外の職種のほうが作業環境が良く、建設業の職場で働くことと比較して、より良い待遇面で働けるからだと思う。これは、「楽に働く」という考えが強く、技術を身につけるには、時間がかかり「根気」の必要な職業には就きたくないというのが現状。このままでは、技能労働者はいなくなると思われ、建設業全体(技能労働者、専業社)で考えていかなければならない。
  13. 間知ブロック積、石積工職人が高齢化とともに減少し、今後職人の確保が大変。
  14. 高校、専門学校共に建設技術科の学生が少なく、土木の知識を持った学生の採用が厳しくなった。
  15. 中途採用の場合、30代の若い世代の人材が少ない。1級建築施工技術士の資格を持った人材確保が難しい。現場代理人として、すぐに適応できる即戦力になる人材の採用に至らない。採用基準の給与面での差が埋まらない。新卒者がキャリアアップするまでに数年を要するため、若手の大量採用は難しい。
  16. 受注物件が計画できず、会社規模も縮小となっているため、雇用も採用も必要であるが難しい。労働条件が悪く、抜本的な賃金の見直しが必要。

◆技能労働者の「雇用面」での具体的課題(職種及び具体的課題など)

  1. 若手技能者が建設業界に入りやすくするために.雇用、賃金、福利厚生面を改善し、業界全体で一般社会に建設業界の必要性や持続的に発展する業界である事をアピールする。
  2. 長期雇用を目指し、資格を多く取らせてやりたいですが、受注競争が厳しいため経費的にきつい。型枠工、鉄筋工、左官工など、一時下請に入職してしまう若手労働者の福利厚生や資格取得が大変と感じます。
  3. 技能継承については、特に土木部門は課題が多い。若手層の入社希望がほとんど「ゼロ」である。継承については、自社としても努力するが、協会としても今後の対策を考えて欲しい。
  4. 技能労働者の問題だけでなく、元請企業を含めた建設業全体の構造的な問題だと思います。元請企業が元気にならなければ、下請企業やそこで働く技能労働者の賃金等の待遇改善は出来ません。
  5. 建設不景気により、技術者の人数が減少して安定した工事受注が出来ないので技術の継承は、二の次なる。
  6. 受験資格が他の国家試験に比べてハードルが高い。普通科高校卒でも受験資格を与え、合格後、○○士補等にして、数年の実務経験後、正規の○○士になれるような制度が必要。普通科高校卒の若者が技術者を目指しやすい環境をつくる。
  7. 技能継承を実践する企業は、人件費負担や技能資格取得支援等に相当の費用負担増になります。また、それは長い期間を必要とします。業界全体の課題を一企業が負担するには、大きなものがあります。積極的に取組んでいる企業には、相応のインセンティブを与えるべきと思います。
  8. 若い世代が技能職を選ぶ理由としては、所得が多くなければ生きがいを感じないという面があります。労働賃金の設計金額を見直さないと日本人労働者が更に減少していくと危惧しています。
  9. 「技能継承」をしたくても若い技能労働者がいない。コスト面重視で、人数的にも余裕が無い。
  10. マニュアル化やプレハブ化が進み、簡単に覚えられる仕事が増えてきたため、手間が掛かる仕事を覚えてもお金になる機会が少なくなってきてしまった。技能を活かせる場所を増やし、利益確保出来る体制を作っていかないと益々技能継承は、難しくなっていくと思う。
  11. 時間と予算がない。継承しなくてはいけないとわかっていても、出来る人をどうしても優先してしまう。現場は、昔ほど余裕がない。
  12. 現在においても建設業に従事する人材の高齢化(55才以上が34%、29才以下が11%の構成)が問題です。復旧事業を始め建設投資への増加に伴う工事量に対し品質の低下を防止するためには、若年入職者の継続が急務であり、安定した雇用制度(賃金・福利厚生)の確立が重要。
  13. 土木の場合工事経験がとても重要です。丸ノコ、草刈機まで資格を必要とされ、皆高齢化で困っています。公共工事については、発注者でさえ工事経験がありません。若い人が来てくれるような産業にしないと、外仕事の労働者は少なくなってしまうばかりです。健康でなければ出来ない仕事なので、医療費を無料にする国の補助などを考え、ベテランがそばにいて指導育成する事をしないと継承しません。
  14. プレハブ化した施工では、技術継承など出来るわけも無く、工事監理面でも、技術力、指導力の無い人が現場に出ることが多くなり、技能継承が出来ない状況。また、技能継承については、専門的な技術指導が出来る学校を創設して、国、業界が運営し、技能継承するようにした方が良い。(学校建設には、国の補助金)
  15. 日常業務が多忙なため、キャリアアップの資格維持に要する勉強時間がとれない。現場代理人補佐として若手を配置出来ないのでキャリア取得にも時間を要する。
  16. 中高年の熟練労働者の大量退職、若手入職者の減少による質的、量的問題。労働環境の改善、研修機関が必要と考えるが企業では負担が大きく、国の補助が必要。
  17. 技能継承は、長時間掛け継承されてきたものをマニュアルで簡単に引き継ぐのは難しく、また、若者に教育・勉強させる余裕も企業に無い。【熟練した現場代理人に勉強のための配置など】

4.社会保険加入について(主な意見・要望)

  1. 社会保険未加入者は、公共工事から排除するとなっているが、現在、職人不足といわれ、結果として現場が良い物を完成できるか不安。また、建設業離れが進み、1人に掛かる仕事量が増え、過度な労働負担が懸念され、建設災害につながると思う。標準見積書の採用については、福利厚生費の明示が必要になってくるようだが、積算段階での金額の把握は難しいと思う。
  2. 適正価格での受注(最低価格のかさ上げ、低入発注の禁止)。保険料を別途計上での工事発注の推進。受注競争激化で、法定福利費を適正に負担できない。見積書についても形式的にならないか心配。
  3. 実際に専門工事業者が、業種ごとに見積時に法定福利費の内訳明示するための標準見積書を作成し元請けに提示できるのか不透明。
  4. 社会保険への加入促進のための施策では、文書指導を書類上や現場で言っても実績が上がるとは考えられない。小規模の現場で職人に指導や零細工事で徹底することに課題があります。生活に不安のない所得があって初めて加入を検討できるのではないかと思います。
  5. 年齢や年収によって金額が変わってしまう健康保険料や厚生年金保険料をどうやって計算して見積書を作成するのか疑問である。
  6. 協力会社のアンケートを行った結果、未加入企業の現状としては、社会保険料の企業負担はもとより、個人負担も厳しい状況にあります。今後、協力会社との契約について、社気保険の費用を含めた契約を実施する予定です。「標準見積書」の採用については、各下請業者と合意した内容で締結、着手しますが、工事施工中の発注者からの追加工事について受発注業者間の合意金額が不確実な場合があります。この追加工事については、元下間での着手は先行しなければならない状況から、適切な元下契約を行うためには、発注者からの確実な金額提示が必要です。
  7. 労働者の安定した生活を確保するためにも必要な事です。しかし、現在の公共工事低入札価格競争状況を改善しないと良くならない。
  8. 少子高齢社会になり、医療、年金問題がどうにもならない状況であることは理解している。社会保険皆加入は、推し進めるべきであると考えますが、問題は、厚生労働省と国土交通省の二つの省庁が係わっていることだと思います。疲弊したままの建設企業に、厚生労働省の思いと施策を先行させ、企業に更なる負担を強いるようなやり方では混乱を招くだけです。まず、建設企業が元気になれるような施策を執行して欲しい。国土交通省では、労務賃金や最低制限価格の引上を行いながら、同時に社会保険未加入問題に取組んでいます。地方自治体においても、国の考えや施策を理解し、この社会保険未加入問題に取組んで欲しい。建設業の実情を理解しないまま、「国の指導だから」を先行されても困ります。
  9. 保険未加入問題の下請管理を元請に責任を押しつける事は疑問である。「みんなの将来の保険を確保するため、しっかり調査指導してくれ」と言われているが、そのためになぜ元請が指導しなければならないのか説明できない。行政が行えば良いのではないか。
  10. 業者によって、必要な法定福利費(円/人・日)が違い、信憑性の確認が難しく、低価格の業者との契約が増える可能性がある。結果的には、技術力と価格の競争となるため、法定福利費をとりあえず確保した上での、直接工事費とその他一般管理費での業者選定となるだけだと思う。
  11. 自然に左右される工種に従事しているので、日給制は継続すると思います。1日の単価を上げ、月24〜25日必ず稼働できれば、社員として社会保険に加入できるのではないか。重層構造なので、1次、2次と下位に行くほど会社組織でなく、1人親方的な人たちが集まってくると思います。
  12. 一次下請は加入すると思うが、二次下請以下の下請に対する指導を元請けだけに頼るのは問題がある。建設業許可の段階で指導して欲しい。

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