協会は全国建設業協会と共催で、「労働安全を中心とした研修会」を8月28日午前9時から、建産連研修センター101会議室で開催、37人が参加した。
同研修は、現場などで実際に労働安全に携わる者や関係者を対象に開催したもので、「フィギアを使ったリスクKY」の研修において、参加者による演習と発表を取り入れているのが特徴。
同日は、中込労務安全事務所の中込平一郎・所長と労働安全衛生総合研究所の高木元也・上席研究員を講師に、(1)頻発労働災害の防止とヒューマンエラー対策(2)危機管理(労働災害発生防止のための危険の特定と低減対策)(3)効果的な安全施工サイクル(グループ討議)(4)フィギアを使ったリスクKY演習・発表(5)人間心理から見る災害防止について、6時間にわたり研修を受けた。
なお、同研修受講者には、全国土木施工管理技士会連合会認定のCPDS6ユニットが付与された。
当協会は8月30日、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、新潟県、長野県の各建設業協会と広域・大規模な災害時に相互支援するための協定を締結した。
協定では、大規模災害が 発生した際に、各建協が救援・支援活動を円滑に実施することを定めている。あらかじめ相互支援のための連絡窓口を各建協が設置し、国、都県など関係機関から要請があった場合、提供可能な資機材、派遣可能な人員数と期間の情報を被災都県に提供する。
関東甲信越ブロックの代表を努める新潟建協の本間会長は「地域の安全・安心を守る社会的役割を的確に果たしたい」と協定の意義を強調するとともに、「地域の建設業が、安全・安心の確保のための役割を果たしているというイメージを広く理解してもらうことにもつなげたい」と期待した。
一方、全建では各都道府県が災害対応を検討するためのガイドラインである「全建災害対策行動指針」の改訂版をこのほど発行した。そこには、東日本大震災の教訓を踏まえ、広域的な災害支援体制の整備のほか、災害対策基本法に基づく政府や自治体の防災計画の中で、防災組織の一員に位置付けられる重要性、災害時活動の広報方法などが盛り込まれている。地域防災計画において指定地方公共機関に位置付けられると「災害時優先電話」に指定されるほか、防災会議委員になることで各行政機関との情報共有や連絡・調整機能の充実を図ることができる。
8月1日時点で、北海道、栃木、長野、岐阜、静岡、高知、佐賀、長崎、熊本、宮崎の10道県の協会が指定公共機関に指定されており、近く鹿児島県協会も防災会議委員に就任する見込み。
平成25年度(上期)建設業経理検定試験が9月8日、上尾市の聖学院大学で行われた。
受験申込者は延べ477名(前年比79名減)で、このうち受験者は275名(同39名減)。受験率は57.6%となり昨年の56.5%より1.1ポイント増加した。受験科目の内訳は、1級財務諸表に48名、1級財務分析に38名、1級原価計算に34名、2級に155名の計275名の結果となった。
この検定試験は、建設業振興基金が各都道府県建設業協会などに委嘱して全国一斉に実施したもので、試験監督および試験監督補佐に、協会職員ら15名、建産連2名、さいたま支部2名、東日本建設業保証埼玉支店4名の、計23名のスタッフが試験進行に当たった。
当協会は、土木・建築系学卒者の就職動向についてアンケート調査を実施した。
調査対象校は、土木系がいずみ高校、熊谷工業高校、秩父農工科学高校、建築系が浦和工業高校、大宮工業高校、春日部工業高校、川越工業高校、熊谷工業高校の計7校8学科。 アンケート項目は、(1)3年間の就職動向(2)県内建設関係就職先企業(3)就職動向についての意見の3項目で6月〜7月にかけて実施した(結果については別表参照)。
この中で、土木・建築系学科ともに建設関係の就職者が増加傾向にあることが明らかとなった。特に、県内建設業への就職者が増加傾向にあるのは、これまでの事業の成果とも言えるが、県内建設業への就職者が他業種の就職者を上回ったのは、平成25年3月が初めてであるため、今後も動向を注視していく必要があるものと思われる。
また、「県内建設業の求人が少ないため、他業種を選択する生徒が多くなる」との意見が2校から寄せられたが、確かに他校に比べ他業種への就職が圧倒的に多く、会員企業の情報を積極的に提供していく必要がある。さらに、「現場監督見習いの求人は多いが、建設業は大変というイメージが強く希望者が少ない」との意見もあり、インターシップの受け入れや社会貢献活動の効果的な広報など、一層のイメージアップを図る必要があることが浮き彫りとなった。
一方では、「現場見学会を実施すれば、建設業に関心を持つ生徒が増えるのではないか」との提言もあったが、19年度まで実施していた見学会の廃止の経緯などを踏まえ実施の有無のほか、大学生を対象とした事業も検討し、会員企業が求める人材に即した事業を展開していくことを検討する段階に入ったとも言える。
Ⅰ 調査目的
近年、建設投資が減少し、一般競争入札、総合評価方式の適用拡大がされるなか、受注競争が激化し、ダンピング受注などによる影響で技術者・技能者の処遇が悪化するとともに、若手入職者の減少、離職が顕著に現れてきていると言われています。そこで、会員の会社経営状況、建設従事者の実態を把握し、中長期的な担い手を確保するために必要な継続的な公共投資の必要性を唱えるなど、関係機関等への改善要望資料として活用する。
Ⅱ 調査対象、実施時期、実施方法
対象企業:原則全会員(422社)
実施時期:平成25年7月22日(月)〜8月20日(火)
1.回答企業の概要について
1.県南部地域(さいたま・北本・朝霞の各県土整備事務所管内):29社
2.県西部地域(川越・飯能・東松山の各県土整備事務所管内):26社
3.県北部地域(熊谷・秩父・本庄の各県土整備事務所管内):23社
4.県東部地域(越谷・行田・杉戸の各県土整備事務所管内):20社
土木 【@:20社 ・A:47社 ・B:14社 ・C:4社 ・D:0社 】
建築 【@:16社 ・A:10社 ・B:8社 ・C:7社 ・D:10社 】
電気 【A:1社 ・B:3社 ・C:0社 】
管、空調 【A:7社 ・B:6社 ・C:3社 】
造園 【A:4社 ・B:3社 ・C:2社 】
舗装 【A:20社 ・B:9社 ・C:4社 ・D:0社 】
1.1千万円未満 | 【 1社 】 |
2.1千万円以上〜3千万円未満 | 【 30社】 |
3.3千万円以上〜5千万円未満 | 【 31社】 |
4.5千万円以上〜1億円未満 | 【 24社】 |
5.1億円以上 | 【 9社 】 |
前回調査 | → | 今回調査 | |
1.1億円未満 | 【 4社 】 | ・・・・・ | 【 1社 】 |
2.1億円以上〜3億円未満 | 【 23社】 | ・・・・・ | 【 21社】 |
3.3億円以上〜5億円未満 | 【 11社】 | ・・・・・ | 【 8社 】 |
4.5億円以上〜10億円未満 | 【 26社】 | ・・・・・ | 【 28社】 |
5.10億円以上 | 【 9社 】 | ・・・・・ | 【 36社】 |
結 果:前回調査に比べ完成工事高が増加傾向の会社が増える
1.10人未満 | 【 10社 】 |
2.10人以上〜30人未満 | 【 53社 】 |
3.30人以上〜50人未満 | 【 15社 】 |
4.50人以上〜100人未満 | 【 11社 】 |
5.100人以上 | 【 8社 】 |
2.経営環境について(現状と課題)
前回調査 | → | 今回調査 | |
1.良い | 【 0社: 0% 】 | ・・・・・ | 【 4社: 5% 】 |
2.少し良い | 【 13社:18%】 | ・・・・・ | 【 21社:24%】 |
3.横ばい | 【 32社:44%】 | ・・・・・ | 【 39社:44%】 |
4.少し悪い | 【 13社:18%】 | ・・・・・ | 【 11社:12%】 |
5.悪い | 【 13社:18%】 | ・・・・・ | 【 11社:13%】 |
6.わからない | 【 2社: 2% 】 | ・・・・・ | 【 2社: 2%】 |
結 果:期待感も含めて、前年度調査に比べ上向き傾向
(少し良い・良いが微増)
(前回調査) | 【今回調査】 | |
完成工事高 | 1,623(百万円) | 1,815(百万円) |
工事原価 | 1,469(百万円) | 1,648(百万円) |
工事粗利 | 154(百万円) | 167(百万円) |
同利益率(%) | 9.5(%) | 9.2(%) |
一般管理費 | 136(百万円) | 150(百万円) |
工事利益 | 18(百万円) | 18(百万円) |
考 察 :前年度より、完成工事高は微増であるが、それに伴って工事原価も高く、工事利益は、一般管理費等での調整で、「横ばい」状況である。
(前回調査) | 【今回調査】 | |
・【有 :42% | ・・・・・・ | 57% 】 |
・【無 :58% | ・・・・・・ | 43% 】 |
(前回調査) | → | 今回調査 | |
・H24年 夏期 | 【 有 :69% 】 | ・・・・・ | 【 有 :74% 】 |
【 無 :31% 】 | ・・・・・ | 【 無 :26% 】 | |
・H24年 冬期 | 【 有 :79% 】 | ・・・・・ | 【 有 :77% 】 |
【 無 :21% 】 | ・・・・・ | 【 無 :23% 】 | |
・H25年 夏期 | 【 有 :66% 】 | ・・・・・ | 【 有 :72% 】 |
【 無 :34% 】 | ・・・・・ | 【 無 :28% 】 |
(前回調査) | 今回調査 | |||
経営上 | 1.受注高減少による経営状況 | 【28社:34%】 | ・・・・・ | 【23社:23%】 |
2.受注競争激化による収益低下 | 【51社:61%】 | ・・・・・ | 【65社:65%】 | |
3.売掛金回収不能等による財務内容 | 【 0社:0% 】 | ・・・・・ | 【 0社:0% 】 | |
4.社員の継続雇用関係 | 【 3社:4% 】 | ・・・・・ | 【 9社:9% 】 | |
5.その他 | 【 1社:1% 】 | ・・・・・ | 【 3社:3% 】 | |
技術上 | 1.技術力継承の不安 | 【26社:33%】 | ・・・・・ | 【54社:60%】 |
2.災害防止活動等の地域協力 | 【 7社:9% 】 | ・・・・・ | 【 5社:6% 】 | |
3.技術社員の継続雇用関係 | 【42社:54%】 | ・・・・・ | 【27社:30%】 | |
4.その他 | 【 3社:4% 】 | ・・・・・ | 【 4社:4% 】 |
結 果:受注競争激化による収益低下は、依然として各社の大きな課題である。合わせて、既存技術者の高齢化とともに若手雇用問題を含む「技術力継承」の課題が大きく上昇してきている。
(前回調査) | 今回調査 | ||
1.全く心配ない | 【 0社: 0% 】 | ・・・・・ | 【 0社: 0% 】 |
2.工夫して乗り切る | 【 56社:69%】 | ・・・・・ | 【 73社:76%】 |
3.存続が心配 | 【 22社:27%】 | ・・・・・ | 【 13社:14%】 |
4.わからない | 【 3社:4% 】 | ・・・・・ | 【 10社:10%】 |
3.経営環境について(現状と課題)
【提出会社数98社:H25.4.1現在】 | ||||||||||||||
種別 | 役 員 及 び 従 業 員 数 (人) | |||||||||||||
役 員 | 事務・営業 | 技術者 | 技能労働者 | |||||||||||
常用雇用 | 臨時雇用 | 常用雇用 | 臨時雇用 | 常用雇用 | 臨時雇用 | |||||||||
男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 | |
合計 | 318 | 79 | 467 | 323 | 9 | 22 | 1,902 | 26 | 10 | 0 | 560 | 13 | 45 | 1 |
【提出会社数98社:H25.4.1現在】
1.大きく減少 | 【 2社:2% 】 |
2.微 減 | 【 12社:12% 】 |
3.横 ば い | 【 64社:66% 】 |
4.増 加 | 【 19社:2% 】 |
事 務 ・ 営 業 | ||||||||||
種別 | 高等学校 | 専門学校 | 短大・高専 | 大学(院) | その他 | |||||
男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 | |
計(人) | 2 | 7 | 3 | 0 | 1 | 11 | 12 | 17 | 1 | 3 |
技 能 労 働 者 | ||||||||||
種別 | 高等学校 | 専門学校 | 短大・高専 | 大学(院) | その他 | |||||
男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 | |
計(人) | 27 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0 |
技 術 者 | ||||||||||
種別 | 高等学校 | 専門学校 | 短大・高専 | 大学(院) | その他 | |||||
男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 | |
計(人) | 37 | 3 | 29 | 0 | 8 | 1 | 143 | 8 | 4 | 0 |
考 察:新規雇用については、各社苦心していて微増傾向から横ばい状況になってきている。魅力ある産業としての建設業の位置づけをPRするなど、今後も若年者雇用について工夫を重ねる必要がある。
考 察:20代〜30代の若手社員の退職が多く、高齢者の定年退職で「技術の継承」問題が大きくなっていることがうかがえる。
【賃金・休暇・転勤・将来性・過酷な労働環境・魅力ある建設業の欠如などが課題】
考 察:社会資本整備費の縮減や入札方式の変化そして、就労条件・職場環境などから、より安定した企業、より良い職種へ転職をしている傾向がうかがえる。また、一定期間の職場経験を経てから、「安定志向・民間職業経験採用枠」での公務員への転職も若年者において増えている。